月別アーカイブ: 2015年8月

本校でのHPタブレットの導入事例が、教育ictリサーチさんのブログで紹介されました!

20150812181904本校でのHPタブレットの導入事例を、教育ictリサーチさんのブログで取り上げていただきました。

YouTubeの動画内で、教員や生徒たちが話しているコメントをまとめていただき、その可能性が記事になっています。

ありがとうございました!

また、「ぜひ、一度取材に伺いたい」ということで、「先生がどんなふうに使っているのか、生徒たちがどんなふうに使っているのか、授業の中で見たいです。やはり現場で見て、先生とお話して、生徒たちに話を聞いて、それで見えてくるものを大事にしたいな・・・」とのご依頼もいただきました。

もちろん、この授業は毎時間フルオープンですので、「ご都合さえつけば、いつでもOKです!」とお返事させていただきました。

また、このブログの冒頭でも・・・

授業は実際に見てみないとわからないことが多いと思うのですが、少なくとも「これからICT導入どうしよう…」という学校や先生方には、こうしてイメージが湧く動画を見せることは非常に意味があると思います。

と書かれているように、動画の魅力というか、イメージ訴求力には、「伝える」という意味において学ぶべきものがたくさんあると思います。

これを機に、みなさんに広く知っていただき、ご意見をいただきながら改善を図りつつ、より「これからの時代に必要」で「生徒の学びにフィット」した授業になるようにしていきたいと考えています。

近いうちに、愛知県あたりでHPさんと一緒に事例報告&研修会を行う予定です。決まりしだいご案内させていただきますので、皆さんぜひお越しください。

☆この動画の他、TVCM、校長が語るバージョン、の3種類があります。
 こちらからどうぞ →「21世紀型教育モデル授業」のCMと紹介動画

さあ、2学期が始まりましたよっ!

本校では、今日(8月26日)から2学期が始まりました。

朝9時、中高全員が第一体育館に集まり、まずはこの夏、さまざまな大会や検定で優秀な成績をおさめた生徒たちを表彰しました。

学校WEBでも紹介されているように、かなりの大人数になったため、一人ずつ労いのコメントをする余裕がなく、「おめでとう!」「よく頑張りましたね!」程度しか声をかけられませんでした。頑張った生徒たちに、ちょっと申し訳なかったかな・・・と思っています。

IMG_7842引き続いて始業式。節目の式典として厳粛な雰囲気で始まるのですが、校長式辞に関しては、訓話めいたお堅い話というより、生徒の心に「熱いエール」や「応援メッセージ」を届ける場として、リアルなホンネを伝えるようにしています。

写真は、その際の「式辞メモ」。式の前に、思考整理の意味で10分程度、ササッと話の流れをイメージして筆を走らせ、壇上に持参します。

とはいえ、生徒全体を見渡して感じたことを、その場の空気感みたいなものを踏まえて話すので、このとおりに終わることはほとんどありません(エッセンスは外しませんが)。たいてい、メモを見ずに、その時々で心に強く浮かんだメッセージを届けるような展開になります。

◇◇

この日、話した内容は・・・

今日から2学期
7月17日、台風の影響が残るなか1学期の終業式を行い、今日もまた台風が心配されました。台風に始まり台風で終わった夏休み、いかがだったでしょう。こうやって皆さんが元気に登校してきてくれたこと、世間では大きな事件や事故が起こっていますが、特に何事もなく、ここに集まれるということに、まずは感謝したいと思います。

振り返りが大切
夏休みは、ふだんチャイム(校時)で区切られた学校生活を中心に自分の行動を決めるのと違い、自分で時間の使い方を決めることができる期間。それを、自分がどう過ごしたのか。有意義だったこと、集中して頑張れたこと、また不十分だったこと、いま思えば「ああすればよかった」こと・・・など、さまざまあるはずです。
また、6月末から8週間のニュージーランド海外研修に行き、先日の日曜日に帰国したばかりの中学2年生の皆さん。夏休みというより、ふだんの学校生活以上の緊張と苦労の連続だったことでしょう。ほんとうによくやってくれたと、心から褒めたいと思います。
そんな夏休みを終え、皆さん一人一人が自分の責任で過ごした時間の使い方を、2学期以降の学校生活に活かせるかどうかは、夏休みの経験を「どこまでしっかり振り返ることができるか」で決まります。

1学期の終業式で伝えた3つのこと
夏休みを迎えるにあたって、滋賀学園は「どうせ無理」を言わない、困難にぶつかったら「だったらこうしてみよう」と考える、ことを宣言したということで、「失敗は学び」「何事にも恐れず、果敢にチャレンジしてほしい」と伝えました。そして、(1)世界を意識せよ (2)本を読もう (3)身体を大切に、の3つのキーワードを話しました。
どうだったでしょう。まずはこれらについて、自分の夏休みを振り返ってほしいと思います。振り返ることによって、自分の強さや弱さに気づき、行動を修正し、より良い方向に自分を導いていくことができます。どれだけ深く、幅広く振り返ることができるか、それが大切です。

世の中の動きと必要なチカラ
いま、世界は大きく動いています。今までの価値感が大きく揺らぎ、絶対的な正解など、どこにもありません。誰かが指示してくれるのを待つ、言われたことを忠実にやり遂げる、一生懸命記憶してテストでそれを吐き出す・・・そういったことを善しとする時代は終わりました。いま必要なのは自分で考え、周囲を巻き込みながら、自分たちの力で目の前の課題を解決していく能力です。
そうした社会の変化に伴って、学校も大きく変わることを要求されています。授業なら、教科書の内容を一方的に先生が講義する形から、アクティブ・ラーニングという言葉に代表されるようなグループワークや探求活動、フィールドワーク、課題解決学習などを大胆に取り入れたスタイルへの転換です。
ロボットや人工知能の進歩で10〜20年後には、いまある仕事の47%がなくなると言われています。実はそのなかに、私たち「学校の先生」も含まれています。どう思いますか。もちろんそうならないよう、先生も変わらなければなりません。
これまでの常識が、将来も常識であり続けることはあり得ません。そんな中で必要なチカラは「自分で考え、自分の行動を決めていける」こと。モノゴトを大きな視点で捉え、強い意志を持って、みんなで進んでいける強さです。そういうチカラを身につける場が学校であるということを知ってください。

でも、日常の些細なことも極めて大事
そういった大局的な側面以上に、足元の小さなことにも気を配らなければなりません。日常の些細なことがキチンとできないような人には、大きなことはできません。
一昨日、自転車の2人乗りで4人の生徒に注意をしました(本校では「校長訓戒」になります)。誰でもやっているような、あまり悪いことだという認識がないことだと思っているでしょうが、こういったことこそ「ルールを守れるか・そこから踏み外すか」の微妙な判断について、自分がどこまで「正しい」人間かが決まります。廊下にゴミが落ちていたら拾う、困っている人がいたらひと声かける。人が見ていようがいまいが、常に誠実で正しい判断ができることこそ、人間の一番の肝です。決して軽く考えないでください。

みんな、きっとできる
そういった、ほんの小さなことの積み重ねが、やがて大きな成功へと道を拓いていってくれます。夏休みをしっかりと振り返り、まずは9月3・4日の文化祭に向けて、一人一人が頑張ってくれることを期待しています。
できない人はいません。みんなできます。ここにいる滋賀学園の皆さんなら、きっとやってくれると信じています。一緒に頑張りましょう!

◇◇

思い出しつつ書いているので、抜けていたり、多少違っている部分があると思いますが、こんなメッセージを伝えて2学期のスタートを切りました。

Jason Baynes 先生、ありがとうございました!

IMG_774010年ちょっとお世話になった Jason Baynes 先生の勤務が、今日で終わりました。

夕方、少し時間を取って、いろいろとお話しさせていただきました。

在校生には、終業式で直接、本校を離れることについてお話がありましたが、ご家庭の都合でご家族そろってアメリカに帰られ、引き続き教壇に立たれます。

英語の教科だけでなく、スピーチコンテストや留学生の指導、国際交流セクションの事務作業、アメリカンフットボール部の指導など、ほんとうに幅広く活躍していただきました。

いろいろとお世話になり、ありがとうございました。今年で10年目の私より滋賀学園での教員生活が長く、どう言って送り出すべきか、ふさわしいお礼の言葉が見つかりません。

私たち以上に「日本的なココロ」を持った、やさしく気配りができる、ステキな Jason 先生。できるなら、ずっと本校にいていただきたかったです。

また来夏、顔を見せてくださるとのこと。今から楽しみにしています。

どうぞお元気で、さらなるご活躍を心からお祈りしております!

ICT環境が創り出す、学びの大きなモチベーション!

夏休みの中学生、その一コマを紹介します。IMG_7717

中学では、昨年度から「プロジェクト発信型英語プログラム」に取り組んでいます。中1ではまず、自分が大切にしていることや好きなものをテーマとして調べ、みんなの前で発表することを、ひとつの ”プロジェクト” として位置づけています。

アマチュア無線が趣味の彼は、この夏休み、まず家で考えてき構成をもとに、HP Japan のタブレット「 Pro Tablet 10 EE G1」を使い、発表用のスライドを PowerPoint で作り始めました。

IMG_7720私から、なんらアドバイスをするわけでもなく、作業開始から1時間で、あっという間に写真や音声を入れた8枚の英文発表スライドを完成させました。

もちろん、中1の1学期終了段階で、クラス全員が彼のように自分の考えたことを、サクサクと形にしていけるわけではありませんが、タブレットを取り入れることで「自己発信」の敷居がかなり低くなることは間違いないようです。IMG_7719

最終的には英語で発表する、このプロジェクト・・・。

英語ができるできないにかかわらず、ICT環境が学びの大きなモチベーションを与える機会となっています。

【HP・PC導入事例】学校法人滋賀学園

学校で子どもを育てるには、家で子どもを育てている「親」に学ばなければなりません。

学校で、先生に反抗してばかりの子どもがいました。
・・・家で、何かにつけて親からきつく言われているのかもしれません。

学校で、友だちをいじめてばかりの子どもがいました。
・・・家で、お兄ちゃんから一方的に責められてばかりいるのかもしれません。

学校で、何でも先生がしてくれるのをずっと待っている子どもがいました。
・・・家で、何から何までお母さんが手を出しているのかもしれません。

学校で、いつも自分が一番でなきゃ気が済まない子どもがいました。
・・・家で、兄弟の誰よりも先に自分のことをしてもらっているのかもしれません。

学校で、まわりから自分がどう見られているかをすごく気にする子どもがいました。
・・・家で、近所の評判ばかりを気にしているお母さんがいるのかもしれません。

学校で、困っている友だちにいつも優しく接してくれる子どもがいました。
・・・家で、寝たきりのおばあちゃんの世話をすすんでやっているのかもしれません。

学校で、
・・・家で、

学校で目にする子どもたちの姿。それを表面的に捉えるだけでは、なぜそうなのか、どうしてそんなことをするのか、わからないことだらけです。

でも、ちょっと深く踏み込んで、家での様子、親や兄弟との関わりなどを具体的に聞いていくと、霧が晴れたように見えてくるものがあります。

「なんだ・・・、そういうことだったのか」
「そりゃ、あんなふうになるのも当然やね〜」

気持ちの揺らぎは、行動の端々に顔を出します。注意深く観察していなくても、子どもたちの方からサインを出してきます。ちょっと接するだけで、「あれっ、どうしたんやろ〜?」と思うことがいくつもあります。

ボクは、その原因を学校の中だけで探すのは難しい。というより、学校の中だけで探さないほうがいいと思います。

「学校で起こったことやん。原因は学校にあるに決まってる」
「学校で解決しなくてどうするの?」

確かに、そうでしょう。

でも、学校でのいろいろな出来事の多くは、その背景に「学校の外(=家庭)」の存在があります。

家でどんな過ごし方をしているか、どんな親子関係なのか、近所との付き合いはどうか、兄弟は? おじいちゃん、おばあちゃんは?

なかなか踏み込めないところかもしれません。そこまで関わる必要はないのかもしれません。一歩踏み込んだら最後、とことん付き合うハメになってしまうかもしれません。もしかしたら、関わったがために自分までがボロボロになってしまうかもしれません。

でも、子どもたちが学校で見せた姿に、疑問や不自然さ感じるのなら、とことんその原因を探っていくべきだと思います。

子どもに寄り添うためには、その子の生活に思いを馳せなければいけません。子どもを理解するためには、その子を取り巻く環境を知らなければなりません。

学校で子どもを育てるには、家で子どもを育てている「親」に学ばなければなりません。

ボクは授業で教科を教えるつもりはありません。人生を語りたいんです。

最近の子どもたち・・・。「夢」がないのか、あるけど語れないのか。どうも現実的で、あきらめが早い。

ほら、もっと・・・こう、未来に向かってさぁ・・・

夢を紡ぐような言葉を投げかけてみても 、返ってくるのは決まって「どうせ○○○やん」って、素っ気ない返事ばかり。

そうかなぁ、そんなことないと思うんだけどなぁ・・・

極端な話、明日がどうなるかなんて誰にもわからないわけだし、今までフツーの中高生だった人が偶然、街で声をかけられたことが縁で、気がつけばアイドルになっていたっていうことだってある。

今まで嫌いだった英語の勉強にしても、海外留学をきっかけに英語に興味を持ち、検定にもどんどん挑戦。合格したら欲が出て、さらに勉強を積み重ね、やがて海外を飛び回ってバリバリ仕事をしているかもしれない。

それが人生ってもんでしょ!

どうして、頭の中だけで結果を決めつけるんでしょう。

やってみなくちゃわからない・・・
やれば違った結果が見えてくるかもしれないのに・・・

ずっと、教師としての自分に言い聞かせていたことがあります。「生徒と、ともに未来を語れるのが教師だ」と。

また、決まって最初の授業に言ってきたことは、「ボクの授業は、教科の内容を教える時間ではありません。教科をとおして人生を語る時間です」。

もちろん、今でもそれは生徒と接する原点になっています。

どうして素直に未来を語ろうとしないの?
未来はそんなに暗いの?

子どもたちの 「あきらめ」 気分にメスを入れて、一緒に未来を語れる教師でありたいと思います。

滋賀こそ、「私学」が教育をリードせよ!

総人口に占める年少人口(0~14歳)の割合が12.8%と過去最低を記録するなか、滋賀県は14.6%と全国第2位。第1位は、沖縄県で17.5%。第3位以下は、佐賀県14.2%、愛知県14.0%、宮崎県13.8%と続いています。<2015年4月17日:総務省発表「人口推計」>

この数字を見ただけでも、滋賀県において新しい時代に対応した教育環境の整備が急務であることは明らかであり、全国の先陣を切って教育改革を推し進めていかなければなりません。

ところが、その穏やかで控えめな県民性が変革を拒むのか、どうも旧態然とした「前年度踏襲型施策」が幅を利かし、私学を取り巻く教育行政ひとつとっても、近隣他府県のような大胆な改革論議(良い悪いは別にして)すら出てきません。

学校教育において圧倒的に「公立優位」の滋賀県では、その数のみならず県民意識として「私立」の立場が弱いと言わざるを得ません。従って、行政側の論調も「私立は(補助金等に頼るのではなく)自分たちの力で学校の魅力を高め、生徒を確保し、経営していくべきだ」との意見が根強く、同じ「公教育の場」でありながら、入試や財政支出等について公立中心に物事が進められているような気がします。

昔のように、ある意味「先が見える」時代であれば、規模の大きい、安定した組織がチカラを発揮したでしょうが、今や「明日をも知れない」時代です。何が起こってもおかしくはないし、昨日まで隆盛を誇っていた大企業が一夜にして倒産することだっていくらでもあります。また、科学技術の進歩に利便さを求める一方、いかに自然と共存していくかを考えることも、待ったなしの状況になっていることは言うまでもありません。

そんな今、かつて聖域と呼ばれた時代を引きずるかのような、「おらが組織を守らんがための考え方」が行政や教育現場に残っているとすれば、それは大きなマイナスであり、障壁でしかありません。

大きな組織だと動かすのも大変です。意志決定にも時間がかかり、機敏な対応には自ずと限界が出ます。それなら、コンパクトな組織に改め、もっと柔軟に物事を進めていった方がいいと考えるのが自然の流れでしょう。

再編計画が進む県立高校ですが、決定までの紆余曲折や、近隣他府県への進学動向、入試制度等々を考えても、県内全県一区の枠組みの中で、県立だけを視野に入れて「滋賀県の高校教育」を論じるのは、もはや時代遅れも甚だしいと、私は思います。

もちろん、グローバル化やICT導入、産学・地域連携など、公立私立を問わず教育の中身こそ大胆かつ早急に変えていかなければ、その被害を被るのは子どもたち自身です。

幸い、そういった動きは「私立」の方が先行しています。全国的にも、一般に私立の良さを公立が後追いするといった形で改革が進んでいます。

ただ、滋賀県はまだまだ遅い・・・

子どもを持つ保護者は敏感です。自ら見極め、動いています。保護者や子どもたちに「学ぶに値する環境」かどうか、値踏みされ、相手にされないような判断を下されたら、それこそ存在意義がありません。

すでに滋賀県単独で済む話ではなく、近隣府県との競争というか、良い意味での切磋琢磨が始まっています。

私立は県立を補完するものではないし、双方が魅力を磨きあうからこそ教育の充実発展があります。そのあたりを十分に考えたうえで、滋賀の教育を切り拓いていかなければなりません。

今年こそ、サブフォー達成。フル 4:26:27 を更新するぞ!

ちょっと、今日は個人的なハナシ・・・

ボクのフルマラソンデビューは今から16年半前、1999年11月21日に「君のチャレンジ精神に栄光あれ!」のキャッチフレーズで開催されたチャレンジ松岡九頭龍フルマラソンでした。

ボクの初フルマラソン、ゴール!

当時所属していたランニングチームのメンバーに刺激され、初めてのフルマラソンは「この大会」と決めていました。

やるからには完走をめざそうと、周囲には「今年こそはフルマラソンに挑戦するから!」と、ことあるたびに宣言し、自分にプレッシャーをかけていました。しかし、いざその日が近づくにつれて、「果たして自分にそれができるのだろうか」と、不安ばかりがどんどん大きくなっていきました。

迎えたレース当日、朝5時半前に車で自宅を出発。湖周道路を北上し、木之本から北陸自動車道に入ると、何となく雲行きが怪しくなってきました。「嫌だなあ・・・」と思っていたら、間もなく雨が降り出し、コンディションは悪くなるばかり。一方、車は順調に進み、7時過ぎには会場に到着。雨は小降りになっていましたが、風がとても強くて気持ちが萎えていきます。

九頭龍川河川敷に設けられた受付会場は、あちこちに水溜まりができていて、あっという間にシューズがドボドボ。チームのメンバー3人と合流し、一緒に開会式に参加。式の中で、来春3月に結婚する予定の小学校の先生(フル初挑戦)が、クラスの子どもたちの声援を受けながら婚約者と仲良く選手宣誓。結婚後も、こんなふうに二人で走るんだろうな・・・と思うと羨ましくなりました。

9時、いよいよレースがスタート。松村和子のデビュー曲「帰ってこいよ」の歌が流れる中、男子373人、女子75人が一斉に走り出しました。この時、参加者が申込書に書いた「ひとこと」が順に読み上げられるのもこの大会の一つの特徴で、その声に背中を押されるように元気が湧いてきて、テンションが上がります。

コースは、松岡町五松橋近くの九頭龍川河川公園から福井市中橋付近まで、川沿いのサイクリングロード約10kmの区間を二往復します。途中、3カ所のエイドステーションとトイレがあり、不安はありません。また、フルマラソン初挑戦の参加者が多いこともあって、「完走請負人」とよばれる人たちが伴走してくれます。九頭龍走友会に所属する3人のおじさんランナーたちが、疲れて歩き出した選手を励ましたりアドバイスをしたりするなど、何度もコースを行き来して、制限時間6時間以内の完走を請け負ってくれます。また、それとは別に「見回り奉行」とよばれる人たちもいて、サポート体制は万全です。

さて、僕の初フルマラソン・・・。25kmぐらいまでは、5kmを28分くらいのイーブンペースで走り、その後35km手前くらいまでは少しペースダウンしたものの、5kmが30分を切るペース。この調子なら4時間を少し過ぎたくらいでゴールできるかも?なんて、一時は甘い期待が頭をよぎりましたが、やはりマラソンはそこからが正念場、最後の数キロで本当の苦しみを味わうことになりました。

膝がガクガクになり、足はほとんど上がりません。「歩け、歩け・・・」とささやく声が、どんどん大きくなっていって、ペースは急激にダウン。歩くよりも遅いような走り方しかできない中、それでもなんとか踏ん張り、やっとの思いで、目標だった4時間30分以内でゴールイン。感激の瞬間でした。

その後、2002年から約10年のブランクをはさんで、いくつもの大会に出場してきましたが、ベストタイムは・・・フル(4:26:27)、ハーフ(1:42:00)、10km(42:26)。

初フルが最高タイムだなんて「う~ん、まだまだ・・・」と思いつつ、今年はそれを超えようと汗を流しているところです。

滋賀学園とのご縁をいただくまでの私自身について、少し・・・

今日は中学・高等学校の両方で、第1回のオープンスクールを開催させていただきました。

いずれも昨年を上回る参加者をお迎えでき、児童・生徒はもちろん、保護者の皆さんの真剣な眼差しに、身の引き締まる思いがしました。ご期待を裏切ることのないよう、日々精進、改善、努力を続けて参りたいと思います。

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さて、こういったご縁をいただくたびに、直前まで私が考えていることは、「未来を担う子どもたちや保護者に、いま、何を語りかけるか」ということです。

今日、私の話を直接お聞きいただいた皆さんに対し、本来であれば、そのベースになる「私自身の歩み」からお話しさせていただくべきだったのですが、時間の関係もあり、最近のトピックにウェイトを置き、紹介させていただきました。

なので、この場をお借りして、滋賀学園とのご縁をいただくまでの私自身について、少し補足しておきたいと思います。

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自分にとって「先生」と呼べる人・・・。なにも学校の先生に限ったことじゃありませんが、その人から大きな影響を受け、生き方や考え方、職業選択、あるいはその後の人生までもが大きく変わってしまうことがあります。

私が、教師という職業に就こうと思ったこと。それは、小学校1・2年の担任だった藤原先生の影響がイチバンです。もちろん、まだ小学生になったばかりの頃でしたから、その当時の私に、自分の将来についての具体的な考えなどあるはずがありません。でも、藤原先生から感じた「教える」ということに対する情熱、それは「思いやり」に満ちた「やさしさ」が基本なんだということ・・・。

当時、幼心に実感として伝わってきた、藤原先生の心のこもった真摯な態度は、その後、私自身が教師への道を選ぶ大きなキッカケになったように思います。今でも、子どもと接するときの藤原先生のキラキラと輝いた、楽しそうな顔を思い出します。

次に、本を読むことが好きで、文章を書くことが苦にならないこと。これは、中学校の国語の先生が大きく影響しています。中野先生というこれまたオバサマ先生でしたが、単に教科書の内容を説明したり、語句の解釈をするだけではなく、何とも言えない語り口調で、物語のすばらしさ、自分の気持ちや思いを文章にする楽しさ、そういったことを繰り返し教えてもらいました。

そして、「どんな勉強も”国語”が基本」「文章が理解できない、漢字が満足に書けないようでは、自分が困る」「毎日使う日本語がしっかり読み書きできずに、どうするの」「生きていく上で”国語力”が影響する部分ってすごく大きいんだから」・・・なんてことを、何度も何度も、毎日の授業の中で聞かされました。

さらに、これらの先生以外にも、理科が好きになるキッカケをつくってくれた村井先生。英語が嫌いになる原因(とはいっても、自分の勉強不足が一番大きいのですが)になった英文法の先生など、中学から高校、大学にかけて、本当にたくさんの先生に影響されつつ、今の自分があります。

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いよいよ就職が目の前にやってきた大学4年生の時、希望する私学教員(公立教員になるつもりは、最初からなかった)の道に恵まれず、趣味の延長線上で某印刷会社のデザイン職に就くことを決めました。

年が明け、偶然にも理科の前任者が退職したというのことで、声をかけてくださった滋賀県内の私立高校で働けることになり、思いがけず舞い降りてきた教壇デビュー。

以後、20年・・・。山あり谷ありの毎日でしたが、それなりに楽しく、やりたいことを提案し、それを受け容れてもらいながら、前向きに過ごしていました。良き先輩や同僚にも恵まれ、自分が成長していくのが実感できる毎日でした。

そこに降ってわいた、地元でラジオ局を作るという話。

42歳。3人の子どもを抱え、家族もあり、よく考えれば無謀とも言える決断でしたが、何もないところから創り上げる魅力に惹かれ、飛び込みました。

何がそうさせたのかわかりませんが、ここで思い切らなければ、きっと後悔する・・・。そんな気持ちが、学校を辞め、新しい仕事に挑戦するという決断をさせてくれたように思います。

そして、ラジオ局の立ち上げに取りかかり、数多くの困難を乗り越えながら、なんとか開局までこぎ着けました。滋賀県初と評され、その世界では一応、それなりの脚光を浴び、新聞にも大きく取り上げていただきました

ところが、収入面や生活の実態はボロボロ。昼夜のサイクルが狂い、カレンダーとは無縁の勤務で、表向きの世界と現実の強烈なギャップ。というより、これでは家族が生きていけない状況に陥りました。

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泣く泣く、その世界から退き、パソコンの設定業務やウィルス除去、ソフトウェアの操作指導などを戸別に訪問する仕事を、個人事業としてやり始めました。業界では「オンサイトサポート」とよばれている仕事で、製品購入者に対して行われるアフターサービスの1つ、出張設定・修理サービスをさします。

Yahoo!BBやeo、NTTなどにインターネット接続回線を申し込むと、無料でセッアップサービスがついてきたり、パソコンを買った際、ウィルスに感染しても一定期間なら無料で除去してもらえる、あるいはジャパネットたかたでPCを買うと、接続からインターネット設定までついてくる・・・、そういったサービスです。

本来は、大手PCメーカー、家電量販店、インターネットプロバイダーなどが、自前でそういうスタッフを抱えるところですが、それではあまりにも効率が悪いので、そういった仕事を取りまとめて紹介してくれる会社がつくられています。そして、そこと契約して、仕事をしている人がいるというわけです。

各企業の社員ではありませんが、仕事をもらった先の名前で顧客に対応するわけで、かなり厳しい制約があり、接客マナーはもちろん、一定の技術レベルも要求され、定期的に審査などもありました。

当時の私は大阪にある2社と契約し、一日平均、個人宅なら午前に1件、午後に2件、夕方(夜)に1件の計4件のお宅を訪問し、仕事をしていました。エリアは、基本的に滋賀県内一円で、ときに岐阜や福井、京都などにも車を走らせていました。

WEB上にまとめられている依頼情報の中から、自分の行きやすいお客さんを探し、仕事を獲得していきます。その後、お客さんに電話して自分でアポを取り、訪問の時間調整をし、自家用車で回ります。作業内容もインターネット接続設定、トラブル診断・修復サービス、操作指導など多岐にわたり、クライアント企業によって、その作業範囲も料金も、報告書も微妙に違います。

同じような仕事をしている人(多くは、いわゆるSOHOなどの個人事業者です)が滋賀県内に数人いて、誰もが、簡単でやりやすく、報酬の高い仕事を競って取り合うわけで、毎日、PCとにらめっこしながら仕事を探し、訪問していました。

仕事がなければ収入はゼロ。いかに近場で、効率よく訪問できるところを探し、一筆書きのように現場を回って、スムーズに仕事を切り上げるか。すべてはそれにかかっていました。

いくら簡単な接続設定といえど、朝イチに湖北、昼に大津、そのあと彦根で、夜は草津・・・なんていう回り方では無駄が多いわけで、近くのお客さんを、いかに同じ日に組み合わせるか。当然、お客さんの希望日時が最優先ですから、そこはアポ取りがうまくならないと、どうしようもありません。

また、お客さんの目の前で、初めてふれる顧客のパソコンを操作し、その視線を浴びつつ作業をしなければならないという緊張感が、常につきまといます。もちろん「できません」「わかりません」とは口が裂けても言えません。こんなことぐらい簡単さ・・・というノリで、ささっと手際よくこなし、ついでにプラスアルファの操作説明なんかできたら、相手は大感激! ぜひまた今度もアナタに・・・ということで、好感度アップってことの繰り返しです。

仕事が終わると、そこで料金をいただく場合もあり、作業内容に納得してもらえないと、気分よく払ってもらえません。「え~、こんなに高いの?」なんて言われたら最悪です。

当然、こういったサービスにはつきものの「お客様アンケート」もあるわけで、満足度が高いスタッフには報酬の高い仕事、VIPなお客さんを優先的に回してもらえることになります。そんなスタッフには、急遽「今日、近場でもう一つこの仕事をやってくれない」と本社サイドから依頼があったりして、単価3000~4000円の仕事であっても、数が増えれば大きな収入になったりします。

年末年始など企業が連続休暇になるときなど、大手企業の本社や支社での仕事もありました。いわゆる法人のお客さまで、サーバ設置・メンテナンス、キッティング、POS端末展開なども、それはそれでなかなか面白く、得がたい経験となりました。ふだんは入れない超大手企業の裏側?を見られることもありました。

とにかく、その道のプロとして、お客様の目の前で仕事を完結し、その対価として報酬をもらう。仕事を回してくれた会社、そこと契約している企業が常について回り、両方に気に入ってもらわなければ、たちまち仕事がなくなる・・・。

挨拶、身なり(もちろんスーツにネクタイ。パソコンの裏側ってホコリだらけの家って多いので、靴下もすぐに汚れます。一日数足履き替えたこともありました)、言葉遣い、笑顔、スキル・・・など、アポ取りの電話から始まり、報告書を提出するまで、見かけ以上に「気を遣う」仕事でした。

その場で、お客さんの表情・反応がダイレクトにわかるので、自分の仕事がうまくいっているか、気に入られているか・・・などがリアルに伝わってきて、まさに「真剣勝負」。それも、自分の会社じゃなく、相手の家が仕事場なので、当然こちらは「よそ者」。相手の土俵で、相手の要求することを100%叶え、プラスアルファの作業をつけて、相手に返す。そして、満足をしてもらわなければならなりません。

どんな仕事にも通じる、「対人関係の基本」がそこにはありました。

☆☆

そんな時、あるところから声がかかり、経験を活かしてもう1つラジオ局を作ってくれないかとの依頼が舞い込みました。満足のいくところまでラジオの仕事ができていなかったこともあって、二つ返事で引き受け、しばらくはパソコンの仕事と両立させながら、何とか県内に2つ目のラジオ局を開局しました。

そしてある日、滋賀学園との「ご縁」が、このラジオから生まれました。

自分の番組のゲストコーナーに、当時の滋賀学園中高の副校長先生と中学の教頭先生が、中高一貫校のすばらしさを紹介しに来てくださったのです。

ご縁をいただき、今年で10年目を迎えた滋賀学園生活・・・

ある意味、私にとっても人生の集大成となるような仕事が、そこには待っていました。

(次回に続く・・・)