この2学期、ICT教育や地域連携、駅伝、硬式野球など、さまざまなところで滋賀学園を広く話題にしていただき、その頑張りを評価・応援していただいています。もちろん、大きく目立つことではなくても、日頃の継続的な取り組みや善行などの積み重ねによって、それらの言動が全体として滋賀学園へのメッセージとなり、多くの方に学校の良さを認めていただいています。
言い換えれば、みなさん一人ひとりが滋賀学園の「顔」であり、自分が直接関わっている・いないにかかわらず、滋賀学園に向けられている視線はすべて、全員が共通して受け止めなければならない、極めて大事なものです。
いまこそ「オール・シガガク」の気持ちを再認識し、滋賀学園の動きをすべて「自分事」として捉え、常にその一員であるという意識を忘れず行動してほしいと思います。個人やチームの頑張りや成果が、誰かに言われるからでなく、自然に「自分たち、みんなのもの」であると意識でき、それに応える振る舞いを全員ができるかどうか、滋賀学園はいまそれを試されている時でもあります。
滋賀学園の一員として、心から自分が所属している学校を愛せるか。生徒・教員みんなが一致団結して「チーム・シガガク」へとさらにもう一段階ステージアップする時だと思います。
2.経験からしか学べない
ずっと言い続けている「どうせ無理といって、逃げるのはやめよう」ということにつながる話ですが、人は経験からしか学べないことを改めて感じています。
先日の全国高校駅伝で力走を見せてくれた滋賀学園陸上競技部の選手たちですが、あの高速レースを体験してこそ学べたことがあったと振り返ってくれています。アベック優勝を成し遂げた世羅高校。女子のレースでアンカーの選手が35秒の4位でタスキを受け取り、逆転したのも、これまでのさまざまな経験あっての結果でしょう。現実に、最終5区であのタイム差をひっくり返せる力を身につけることは、並大抵の練習ではないでしょう。メンタル面も含めて、経験から学んだことが大きく影響していると思います。
机上のプランや、頭の中で考えていることも、実際に「やってみて」こそ感じるリターンが何よりも大切であり、それが学びにつながります。自分が「これだ」と思ったことは、ぜひ行動に移してください。とにかくやってみる。失敗してもかまいません。そこから学べることの方が、やらないでいるよりずっと価値があります。
3.すべてはつながっている
試合やステージパフォーマンスは、一回限りのワンチャンス。勝負に挑む人は、日々、過酷な練習を繰り返し、本番に臨んでいます。それこそ何百回、何千回のトレーニングの積み重ねによって、最高のパフォーマンスを発揮すべく、努力しています。
日々、学業やクラブ活動に励むみなさんもそうでしょうし、先週、父母教の教育講演会ですばらしい演奏を披露してくれた方々も、まさにそういった日々を過ごされています。
ですが、すばらしいパフォーマンスを発揮する人たちは、誰もが日常の「あたりまえの部分」も、例外なく手を抜かず、きちんとされています。挨拶、掃除、人の話をしっかり聞く、嫌なことでも進んでやる・・・など、日常生活をほんとうにしっかりされています。
かつて、同じような式辞の中で「勉強は人柄の集中表現だ!」と言ったことがありますが、めざすことだけに集中するあまり、他のことを疎かにするようでは何事も達成されないということは間違いありません。
今年の締めくくりにあたり、めざすことだけにフォーカスするのではなく、日常の何気ないこともふくめて大事にする。日々の生き方、姿勢そのものが全てに通じていることを、改めて認識してほしいと思います。
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最後に、年末年始の独特の雰囲気をプラスに活かし、有意義に過ごしてほしい・・・と話を締めくくろうとしました。
ところが、相変わらず「自分事」として聞いていない生徒が見えたので、「それでは、いくらすばらしい人が、いくらいい話をしても、決して自分のもにはならないよ・・・」と苦言を呈して、顔を上げるよう促しました。
どこまで気づいてくれたのか・・・。伝わるまで、繰り返し言い続けたいと思っています。
もちろん、それは生徒へのメッセージだけでなく、先生方への忠告でもあります。
すでに何人もの先生が、「先生が式辞でおっしゃることは、生徒だけでなく先生方への話でもあり、先生方にこそ聞いてほしいんじゃないですか・・・」とってくださるとおり、生徒だけでなく先生方に対しても、強く意識して言葉を紡いでいます。
まさに「オール・シガガク」、全員が一丸となって歩んでこそ意味があると思います。ごく自然に、それが当たり前のカタチになるまで頑張ります!